安岡整形外科脳外科クリニック 武蔵野市吉祥寺の整形外科,脳外科,神経内科,リハビリテーション科

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院長からの一言

院長からの一言New! 2023年新春

明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします。
もうすぐ梅の季節です
平安時代、菅原道真は太宰府に左遷される前、大事にしていた梅の木に語り掛けるように詠んでいます。

東風(こち)吹かば にほい(匂い)をこせよ梅の花
主(あるじ)なしとて 春を忘るな
  (拾遺和歌集)

もしも、SNS全盛の現代に菅原道真が蘇ったとしたらどう詠むでしょうか?
SNSへの投稿・書き込みに毎日いそしんでいる梅の花を心配しているでしょう。
書き込めば におい残るよ梅の花
主(あるじ)なしとて “道”を忘るな

と詠むのではないでしょうか。

女子プロレスラーがネットでの悪質な誹謗中傷の犠牲となった悲しい事件や池袋交通事故被害者家族の悲痛な怒り・社会への訴えが報道されたのはご存じの通りです。
これら事件に関する世論の高まりに呼応して、総務省・法務省は2022年迅速に対応しています。

① 2022年10月プロバイダ責任制限法が改正・施行され、悪質な誹謗中傷をした者の情報開示が
“簡易迅速”(総務省)になり、開示までの期間が短縮されました。
投稿の発信者は特定できると肝に銘じておきましょう』(総務省HP)。
この改正により
主(あるじ)なしとて “刑罰(ばつ) ”を忘るな
となったわけです。

② さらに、悪質な侮辱に厳正に対処するため、法定刑も引き上げられました。
侮辱罪が厳罰化されたのです(法務省HP)。
この厳罰化により
主(あるじ)なしとて “〇ショ”を忘るな!
となったのです!
(広辞苑:〇ショとは「刑務所」の略)

過去において、車社会全盛の頃、利便性優先・車優先で事故死傷者が激増しました。これに対し車メーカーは販売台数重視から、人命最優先・安全性重視へ大きく舵を切りました。この方向付けをしたのが道路法等の法改正でした。この方向転換により、車メーカーは現在も社会から尊重される存在であり続けています。
SNS全盛の今、SNSの利便性最優先によって、市民国民は書かれ損で放置され、多くの犠牲者が出てきました。
弁護士・司法に相談しても労力とお金と時間がかかりすぎました。旧法律の壁があったのです。
2022年の法改正は、情報開示を“簡易迅速”化し、侮辱罪を厳罰化することにより、SNS等のプロバイダー各社に対して、大きな方向転換を迫るものです。誹謗中傷の排除・人命最優先・人々の幸福感保護への方向転換です。今回の法改正はこれからの社会のあり方に大きな影響を与える極めて重要な法改正なのです。

【まとめ】
書き込めば におい残るよ梅の花 
主(あるじ)なしとて “〇ショ”を忘るな  (2022年法改正)

(広辞苑:〇ショとは「刑務所」の略)

腰部脊柱管狭窄症に対する当院のメソッド

腰部脊柱管狭窄症は注意が必要な病気である、との認識が定着してきました。腰部脊柱管狭窄症が老後の活動を制限し、ひいては二次的に内科疾患にも悪影響を与えるからです。
腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療の効果に英文の論文で疑問符が出ています。
Ann.Intern Med2015 Apr7;162(7:465-73.)
Cochrane29January2016
当院では①意欲的リハビリ+②生活指導+③短期的装具着用を組み合わせたメソッドを提供しています。
非手術のメソッドの第一の利点は手術につきものの合併症がないことです。
第二の利点は数年後に症状が再発したとしても、再度同じ治療を繰り返すことができ、作用も初回と変わらないことです。また、初回より短時間で治療が進むこともあります。
一方、手術では再発した場合、2回目の手術は困難であり、また合併症が発症することもあります。これは初回手術でくも膜炎が手術野を覆い癒着が続発することによります。
第三の利点は非手術的メソッドは手術と相いれないものではないことです。
手術後の再発防止に役立つはずです。手術単独の欠点を補うものです。
患者さまが、自分で得た情報で腰部脊柱管狭窄症に対応しようとするのは、自己流のゴルフ・テニス・スキー(ではなかなか上達しない、一流にはなれない)と同じ結果をもたらします。医師の意見をよく聞き、系統的なメソッドのもとで治療を受けることが症状改善への早いコースです。

院長からの一言 ☆彡(星)いくつ-?

旅館ホテル・飲食店だけでなく、医療機関への荒唐無稽な言い掛かりや不当な医療従事者への要求をネットに書き込む行為が、最近とみに全国に広がっていると聞きます。誠実で優秀な先輩医師・知人内科医も被害に遭っています。
悪質な書き込みには決まってGoogle☆一つが付けられる。するとネット関連会社から当該医療機関へお決まりの“恋文”が殺到するまでが定番です。
“恋文”の内容は例えばこうです。
“貴院の現在の☆の数を御存じですか?今回新たにGoogle☆一つの書き込みがありました!貴院の評判が危ぶまれます!経営への影響が懸念されます!〇万円を払えば当社で確実にその書き込みをDeleteします!”
Delete代金40万円を要求する会社もあります。☆の数を増やすための管理保守料と称して月数万(年間40-60万)を謳う会社もあります。
しかしこの一連の動きに、ネット犯罪の匂いはないでしょうか?第一に、☆一つの書き込みの内容が荒唐無稽すぎます。練られすぎなのです。これらの多くは純粋に病んで来院する患者さんによるものではなく、“書き込みを目的として来院した者”による書き込みなのです。来院もしない、ただのPC作業に過ぎないものもあります。ネットへの書き込みが、関連会社あるいは某グループとのなんらかの連携によるやらせであったとすれば、なんと効率の良い犯罪でしょうか!首謀者達は、新型コロナの感染リスクのない事務所PCの前に座っているだけで、医療機関から大金が手に入る美味しい仕事なのです。この大金は新宿KB町の「〇かじめ料」の巨額なインターネット版です。(Wikipedia:〇かじめ料は飲食店や小売店などが出店する地域の反社会的勢力に支払う場所代、用心棒代。世界各地で、様々な形で収受が行われている
日々新型コロナ感染リスクと闘っている医療機関・医療従事者への法外な「〇かじめ料」の要求は断じて許されるべきではありません。これは愉快犯の域を通り越しています。
不当な一方的な中傷目的の書き込みについては、“Delete”ではなく、医療機関からの反論の場がオファーされるべきです。さもなければネットを利用した「威力業務妨害罪」として刑事罰の対象とすべきです。全国に急速に拡散しつつあるこの犯罪行為を、単なる民事あるいは愉快犯として放置すれば、近いうちに、“オレオレ詐欺”型の犯罪集金システムがもう一つ出来上がります。いや、“オレオレ詐欺”にも勝るこの犯罪集金システムはもう既に出来上がっており、手口は巧妙化し肥大化し、目に見えぬ形で、絶賛!稼働中なのです。

☆彡いくつー? 目にはさやかに見えねども 
☆彡いくつー? 溢る恋文(ふみ)にぞ 驚かれぬる

(古今和歌集 秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる)